中央銀行の役割を知る
中央銀行の役割について知っておくと良いです。
なぜか、市場の動向は、市場参加者の需要と供給だけでなく、中央銀行の方針にも大きく影響しているからです。
ここでは、簡単に中央銀行の役割についてまとめます。
・中央銀行の役割とは、、、
・銀行券を発券すること
・物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること
・決済システムの円滑かつ安定的な運行を確保し、金融システムの安定を資すること
今回は、特に「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」について、
まとめたいと思います。
(ちなみに、ここでの中央銀行は、日本銀行のことをピックアップしています。世界各国に、中央銀行はそれぞれ存在しています。)
中央銀行は、物価の安定をさせるために「金融政策」という基本方針を持って市場をコントロールしています。
具体的に何をやっているかというと「国債の買い入れ」、「金利調整」といったことです。
「インフレターゲット」ということばは、ご存じでしょうか?
中央銀行の目標として、インフレ率の定位安定化があります。
なぜなのか?
高率のインフレーションが進行すると、人々は、貨幣を保有しなくなります。
すると、貨幣を仲介した交換はうまくいかず、経済全体の効率が落ちてきてしまいます。
物価の不安定さがもたらす別の悪影響もあります。
例えば、住宅を購入する際、長期のローンを組む人がほとんどです。
3%の固定金利で、20年ローンで返済する計画でいます。給料も毎年2-3%ずつ昇給していけば、完済する見込みです。
しかし、その後デフレに陥り、給料のアップもほとんどない場合、ローン返済が滞ります。
逆に、効率のインフレ率であった場合、どうなるのでしょうか?
給料は、毎年5−6%昇給していけば、借入者の返済は楽になるでしょう。
ただしかし、ローンで貸出している銀行では、当初見込んでいた金利収益分がなくなり、逆に赤字となってしまいます。
上述した理由で、インフレ率は低い水準で安定していた方がいいのです。
中央銀行の役割は、物価を安定させることひいては貨幣価値を安定すること、より具体的には、インフレ率の低い水準での安定化をさせることです。
インフレ率を上げたい場合、どうすればよいでしょうか?
その場合、中央銀行は、金融緩和をします。短期金利の引き下げです。
金利を引き下げることで、お金を借りやすくなります。(返す利子が少なるので、お金を借りて、新たな利益を産むために、投資をしたりしやすくする流れを作りたいのです。)
現在2022年の日本でも、マイナス金利政策をしています。日本は、デフレ経済なのです。
デフレとは、通貨価値よりも物価が安い状態です。
実際に、日本の物価は、ここ10年間大きな上昇はなく、皆さんの賃金も上がっていないというのが現状です。
デフレ脱却のために、マイナス金利政策を実施している日本銀行ですが、その大きな効果は得られておらず、苦戦しているのが
今の日本なのです。
話は、市場動向に戻るのですが、この中央銀行の金融政策の方針は、良くも悪くも市場に影響を与えます。
通貨価値の金利によって、各国の株式市場に対して、投資家は、買いか売りかの判断要素の一つになっているからです。
アメリカ経済の話になりますが、ここ最近で、金融緩和を縮小する方針を出していました。
アメリカもまた、金融緩和政策をしていたのです。(テーパリングと言います。)
市場経済が上向いてきたこともあり、この金融緩和をやめ、金融緊縮政策にしていこういう方向に進みそうです。
各国の中央銀行の動向にも、少なからず注意していくべきでしょう。